いんたーねっと日記

141文字以上のものを書くところ

「けしからん脳」の恐怖

教育関係のニュースは、たいてい腑に落ちない。

政府の教育再生懇「小中学生に携帯持たせるな」報告盛り込みへ 2008.5.17 13:10
 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は17日、都内のホテルで会合を開き、子供を有害情報から守るため「小中学生に携帯電話を持たせるべきではない」とする内容を、6月にまとめる第1次報告に盛りこむことで一致した。

 有害サイトを通じて犯罪に巻き込まれたりいじめが起きたりしていることや、子供が携帯電話を持つ必要はないとする福田康夫首相の持論を反映させることになった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080517/plc0805171316006-n1.htm

昔の、たとえばギターを持っていれば全員不良に見えた時代もそうだっただろうけど、

  1. 最近の若者はけしからん
  2. けしからんのは○○のせいだ
  3. それなら××で禁止してしまえ

という発想でしか、子供を「健全に」教育する方法が思いつかないというのは悲しいことだと思う。
僕が初めて携帯電話を持ったのは高校の時で、今でもあんまり携帯電話を使う方ではないし、携帯電話用Webサービスは「有害サイト」はもちろん「健全サイト」もほとんど使ったことがないので具体的にどれくらい青少年が不健全な環境におかれているのかとか、そういう詳しい状況はよくわからない。ただ、出会い系サイトが発端で事件が起ころうが学校裏サイトでいじめが起ころうが、携帯電話向けのサイトすべてが有害情報にあふれているとはとても思えない。それなのにあまりに厳しい規制をしようというのは、「ギターをやってると不良になるから校則で禁止」という発想と何らかわりがない。
もっとも、有害情報がどうとかそういう話はただのタテマエで、実際は教室やら電車の中やら食卓やらで子供がずっと携帯電話をいじっている姿が気に入らない、というだけなのかもしれない。実際、僕も携帯電話のせいで場の空気が重くなってしまったり、電車の中などで場をわきまえずに携帯電話で喋られるのが嫌だ。。でもそれならば「他の人が不快に思うようなところで携帯電話を使わない、自分が今目の前にみている人とのコミュニケーションを大事にしなさい」という教育をするのが教育者というものでしょう。
大人たちにとっては禁止してしまうのが一番楽だけど、子供たちにとっては「なんで大人は使っていいの?」という理不尽なルールにしか思えないはず。教育再生を目的とする懇談会なんだから、教育の力を再生させて問題を解決することを第一に考えてほしい。