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The Internet...

141文字以上のものを書くところ

ブラウザ上で画像をLGTMっぽい感じにするやつを作った

Chromeで再生してる動画から画像キャプチャできたらいいよね」みたいなことを考えていたら、いつの間にかそこにLGTMの文字を載せる機能がついて、そっちがメインみたいな感じのChrome拡張ができた。

Chromeウェブストアからインストールできます

深く考えずに作ったのでドキュメントとか一切ないし、説明も雑だし、例外処理をほとんどしてないダメさ加減だけど、とりあえずブラウザに出てる画像とかビデオの上で右クリックしてLGTMっていう文字を載せたりするのはできる。

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LGTM画像のカルチャーをエンジニアじゃない人に説明しづらい気がするけど、たぶんわかりやすいのは id:hitode909 さんの 高速にドッグフードを食べる方法というスライドの後ろのほうにある、「めでたさを伝える」という話で、ようはコードレビューがOKだった時に画像でめでたさを伝えるとテンション上がって良い、ということ。

僕はけっこう社内で写真を撮っていて、趣味で社員が酔っ払って変な顔してる写真にLGTMって載せて社内チャットに放流する活動をしてるのだけど、いつの間にか社内チャットにいるbotがLGTMっていう言葉に反応してそういう画像を貼るようになって、結果としてよく出てくる画像ではめでたさが伝わらない、価値が暴落してしまう、という問題が起きていた。この状況をなんとかするためには誰でもものすごく気軽にLGTM画像を作れるようにする必要があって、Chrome拡張にして右クリックメニューから作れるようにすると何も頭を使わずに使えるのでめでたい画像が量産できる気がする。

ただいくつか問題があって、アニメーションGIFに対応してないとか、中央にLGTMって書かれるとわりと邪魔っていうのはあるけど、まあそこは作るところの適当さとのトレードオフだと思う。気が向いたらもう少しなんとかします。

それにしてもめんどくさいのがソフトをリリースする作業で、説明を書くのも細かい例外処理を入れておくのも全てがめんどくさい。めんどくさいのだけど人にChrome拡張を広めるにはやっぱりChromeウェブストアに投稿する必要がある。もっと雑な気持ちで雑なソフトウェアが配布できる感じになってほしい。雑なソフトウェア開発が許されないのは人類の損失な気がする。

Increments株式会社に行ってきました

Qiita とか Qiita:Team とか Kobito でお世話になってる Increments株式会社 のオフィスにお邪魔してきました。

オフィスは道玄坂の上のほうで、 スクー とか ピースオブケイク なんかも入居してるビルで、小雨の降る中スクランブルから上がっていったら人が多くて大変だった。次からはマークシティの中を歩くようにしよう。

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入り口のベルのところにはKobitoのアイコンになってるキャラクターが。かわいい。

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これは3Dプリンタで出力したフィギュアらしいけど、キーホルダーとかになってほしい。かばんにつけたい。

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オフィスに入ると真っ先に卓球台があるし、懸垂バーも腕立てバーも腹筋ローラーも完備で今どきのスタートアップっぽい。

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そして社内のドリンクコーナーはなんとSquare Standで、カード決済して買うようになってる。未来だ!

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ユニット畳で作られた和風くつろぎスペースの名前は進捗庵。

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そんなオフィスの中でいちばん驚いたのは壁にバーッと貼られた大量のポストイット。これはQiitaやQiita:Teamのサービスの課題を洗い出すためにちょうど試行錯誤しながらブレストしているところなんだとか。このブレストのやり方がなかなか興味深くて、ユーザーの属性やその人が抱えている問題を色分けして、時間を決めてバーッと出していってるんだとか。そしてブレストのやり方もよさそうで、とにかくアイデアを出していくのは個人作業で、各々が1人でポストイットにひたすら書きまくって、それを10分やったら模造紙に貼りながらみんなで見て、そしてまた各々が1人でポストイットに書いて……というのを3セットやるという感じらしい。これだけの量がそこで出てくるのだから凄いなと思う。

模造紙というのもこだわりポイントで、会議室でブレストやったあとで執務スペースに貼ったりできて良い、とのこと。こうやって課題の洗い出しをしたものがすぐ見える場所に貼ってあるの、モチベーションを保つためにも良さそう。

Incrementsはエンジニア向けのサービスを作っている会社なので、もっとエンジニアがブイブイいわせてる組織なのかと思えば、このブレストの話なんかを聞くと全然そんなことなくて、むしろしっかりとユーザーの求めているものを見てデザインしていこう!という意識の強い会社なんだんと感じました。

……そんな大量のポストイットの前で、Qiita:Teamを使っている会社としていろいろヒアリングされたり、それぞれの会社で「こんな使い方をしてるよ!」みたいな話をずいぶんと長い時間したのでした。ビール飲みながら。ありがとうございました。

僕も 今の会社に入るときに求人ページに冷蔵庫にビールの写真があることが決め手の一つだったのだけど、イケてるスタートアップは冷蔵庫にビールが入ってる事が多いのでひとつの指標になると思う(という認識が広まればビール飲める会社が増えてよさそう)。

そんなIncrements株式会社ですが、(例によって)エンジニアやデザイナーを募集しているらしいです。今回オフィスの全体がよくわかる写真とか、執務スペースの写真とかを全く撮り忘れてしまったのだけど、とにかく人数にたいしてまだまだオフィスが広くて、これからもっと成長していくんだろうなーという感じでした。

www.wantedly.com

QiitaやQiita:Teamがこれからもっと便利になると嬉しいなー。

会社の机をスタンディングデスクにして2週間仕事した

2014年のうちに書こうと思ってたら大晦日になってしまった。

先々週の日曜日に会社の人たちとIKEAに行って、机の上にテーブル置いてスタンディングデスクにするやつを作って、2週間立ったまま仕事してみた。作る過程はなおさんのブログに載ってます

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元々の記事だとLACKサイドテーブル1つで作ってるのだけど、やっぱりモニターは本体のほかに2枚ほしくて、もう一台をとなりに置くようにした。一回り大きいLACKコーヒーテーブル を使うことも考えたのだけど、あとでまた別の形にしたくなったりするかもとか考えてやめた。開発機として使ってるMacbokは13インチで、外部ディスプレイの前に置くとディスプレイの高さが少し足りてないのだけど、とりあえずはこのままでいいかな……と思ってる。そのうち嵩上げしてもいいのかもしれない。

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もともと机はBJÖRKUDDENダイニングテーブルで高さが74cm、そこに床からの高さが102cmくらいになるように棚板をつけてキーボード置き台にしてる。床にはHAMPENラグを敷いて、土足禁止っぽいゾーンにして裸足で仕事してる。ここまでかかった費用は4000円くらい。これまで使っていたバロンチェアの権利は他の人に譲って、いちおう疲れたときのために会社の備品の折りたたみ椅子を置いてる。

スタンディングにして、仕事したあとの疲れ方があきらかに変わった感じがあって、座って仕事していた頃は帰る頃に頭はぼーっとしていて全身がだるいなという感じだったのだけど、立って仕事するようになってからは疲れてるのは主に下半身で、頭は冴えてる感じになった。加えて、これまではけっこう遅くまでだらだらと仕事を続けて、時間がだいぶ遅いことに気づいて帰るみたいなことが多かったのだけど、これが「『ここまでやる』みたいなところを決めてそこまでさっさと終わらせてさっさと帰る」という気分になった。だいたい7時間くらい仕事したところで疲れてきて、「今日はここまで!」っていうところを早く決めるマインドになったんだと思う。疲れた時のための椅子は置いたものの、疲れてくるのがわりとふつうの帰宅時間みたいな感じなので、椅子に座って一息ついて、「よし帰るか!」みたいな気持ちになることのほうが多い。

ちょっと失敗したなというところは、靴を履いた状態で高さを決めたのに裸足で仕事しているので微妙にキーボード置きの高さが高くて、そのせいなのかいまだに肩が凝ってるというところ。ただ部品は安いし、耐えられなくなってきたら作りなおしてもいいかなと思ってる。

あと、裸足のせいでかかとへの負担が大きいのか、かかとを浮かせて仕事したくなることがときどきある。長くスタンディングデスク使ってる人はやっぱり靴を履いてるのかな……。

2014年の記事

2008年の記事

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ヨドバシカメラの記事を読んで「10年泥」というキーワードを思い出したのだけど、たぶんたまたま「10年泥」というキャッチーなキーワードがあっただけで、世の中のおじさんたちは常に若者に対してこういうことを言っていそうな気がする。

僕は大学院を出てからこの春でちょうど1年で、10年泥のように働かなければいけないとしたらそのうちの最初の1割が終わったのだけど、自分がいま下積みの泥の状態なのかということを考えるとまったくその実感はない。下積みで先輩の仕事をみて勉強します!みたいな状態の人を社内に置いておいて給料払えるような設立から間もないベンチャーはたぶん存在しないと思う。

10年前の世界がどんな感じだったかといえば、mixiとかfacebookがまだ小規模なSNSとして誕生したくらいの頃で、京セラのOpera搭載PHSが画期的な商品として受け入れられていた。たぶん10年後にはいま最先端だと思ってるものは「あの頃は××なんてあったよね」「流行ってたよね」みたいな扱いになっているだろうし、10年も下積みやりながら勉強しますなんて言っていたらいつまで経っても追いつけない気がする。現在ですら自分が最先端の技術やビジネスに追いつけているのか不安だし、気を緩めたらあっという間に「最近はやりの××はようわからん」みたいな状態になりそうな気がする。

たぶん10年かけてゆっくり成長するのがいい仕事もあるのだろうし、そういう仕事は10年後も存在してるんだと思う。どんなにITが進歩しても対人でいろいろする仕事とかなくならないだろうし、そういうところはたぶん長い期間かけて身につけた判断力とか交渉力とか、人間力みたいなやつが必要なんだろうと思う。技術者として生きているとそういう力は身につかないだろうし、10年後に技術者として生きていけるように最新で高度な技術を追いかけ続けるか、泥のように下積みして人間力みたいなやつを高めるしかないのだと思う。時間が経つのが怖い。

freee株式会社に転職して1ヶ月が経ちました

これまでのあらすじはこちら

あえて報告もせず隠しもしてなかったのですが*1、1月からfreee株式会社でエンジニアとして働いています。

freeeはまだ創業から1年半ほどのベンチャー企業で、個人事業主と中小企業向けのクラウド会計ソフトを作っています。自分の担当分野としてはざっくりとUI/UX周りというかフロントエンド周りで、気に入らないCSSマークアップを頼まれてないところまで修正しまくっているのでHTML/CSSの人みたいになっています。学生時代にずっとWebっぽいことをやっていたのもあってもっとWebサービスらしいWebサービスに携わりたかったので、技術的に興味のある分野に触れられそうなこと、創業から日が浅い会社でありながら将来性のあるサービスを作っていること、そしてCEOやCTOやエンジニアと話をして相性がよさそうだったことがfreeeに入る決め手でした。新しい技術を修得することに意欲的なエンジニアの多い環境は素晴らしいと思います。

freeeに入った時点で会計については完全に素人だし、Web関係のことをやるのは修士研究以来だったので最初はだいぶ不安だったのですが、ソースコード読みながら実際の動作を見るだけで2〜3日くらいでけっこうキャッチアップできたのでよかったです。会計のコアな部分については青色申告と白色申告の違いを今日初めて知ったとか、いまだに複式簿記の仕組みがわかっていないとか、そういう感じで全く理解してないのでそのうちちゃんと勉強が必要だなーと思っています。

freeeの雰囲気

freeeはビジネス向けのサービスですが、会計についての専門知識がない人でも使えるサービスを目指しているだけあって、どちらかとえばBtoCの会社に近い雰囲気だと思いますが、BtoBの会社にいたことがないのでよくわかりません。Web系っぽい要素としては、バランスボールに座っている人がいる、freeeのロゴ入りTシャツ姿で仕事してる人がいる、飲み物と夕飯の弁当が無料くらいでしょうか。

前の会社と比べて最も違うところはスピード感で、作業してデプロイしてすぐお客さんの手元に新しい機能が届く環境はお客さんからのフィードバックも早くて、この1ヶ月の間にもサービスがどんどん進化しているなーと感じます。前の会社ではスマートフォン向けアプリを作っていたので、Appleの審査にかかる時間やゲーム内イベントのスケジュールとの調整をしながらリリースしなければならず、数週間や数ヶ月以上先にリリースするようなものを作っていることが多くて、なかなか冒険できないところがあったので、転職して一番よかったのはここかなと思っています。

あと前職との最大の違いといえば突然アニメや声優の話をしだす人が今のところ自分くらいしかいないことくらいですかね。

生活

前の会社が朝弱い人に優しすぎたうえに徒歩数分の距離だったので、その頃と比べると2時間くらい早く起きるようになりました。だいたい僕が会社に来るのが社員の中で最後なのでみんなすごいなと思います。ちなみに特にミーティングなどが入ってなければ11時くらいまでに会社にいれば良さそうです。

就職してからずっと自炊をしていたのですが、freeeは夕飯の弁当が無料なので、最近は朝ごはんと昼に食べる弁当だけ自分で作るようにしてます。そうでもしないと太りそうなので。

やりたいこと

freeeは会計についての知識がない人でも扱えるように作っているわけですが、短い期間でたくさんの機能を作ったことが原因となって、いろいろな部分のUIがまったく統一されていなかったり、触れるお客さんが少なそうな機能はまだとても簡単とはいえない状態だったりするので、そのあたりを統一的でわかりやすいUIに置き換えていくのが会社の中での自分の役割だと思います。

個人的な目標としては、そういった整ったUIを最小のコードで実現できる環境を整備して、見た目だけでなく実装面でもきれいなUIを実現したいと思っています。というかエンジニアは機能的な要件は満たせてもViewまわりのコードはコピペだったりすることが多くて、そういうのが溜まると機能性もメンテナンス性もどんどん低下させるので全部滅ぼしたい。

さいごに

freeeではエンジニアを募集しています。仕事場でダーツや卓球をしたいエンジニアの方はぜひ @ymrl に連絡をください。

あと確定申告は3月17日が締め切りなので、もしまだ申告の必要があるのに何も準備していないという方はぜひご検討ください。チャットサポートや土日メールサポートが受けられたりする青色申告のキャンペーンもやっているみたいです。

全自動 青色申告ソフト freee(フリー) 個人事業主向け[一般/不動産] Mac(マック)・Windows・新消費税に対応

世界一ラクにできる確定申告 ~全自動クラウド会計ソフト「freee」で仕訳なし・入力ストレス最小限!

TVアニメ「Free! 」パーフェクトファイル (生活シリーズ)

*1:GitHubとか退職しましたには普通に書いていた

芸者東京エンターテインメント株式会社を退職しました

12月27日をもって、芸者東京エンターテインメント株式会社を退職しました。学生時代を含めて2年10ヶ月くらいお世話になりました。

会社でやっていたこと

最近は脳トレクエスト2というiOS/Android向けゲームのクライアント側を作っていました。ゲームエンジンはCocos2d-xで、それぞれのOSごとに実装しなければならないところを除いてほとんどのコードがC++でした。といってもCocos2d-xでゲームを作るのに必要なC++の知識はそこまで多くなくて、C++プログラマーを名乗るにはまだまだだなあという感じがします。ちなみにサーバー側はScalaですが、こっちは全くと言っていいほど触ってないです。

このゲームはいわゆる脳トレ的なミニゲームを解いて敵を攻撃しながら進んでいくRPGなのですが、僕が担当したのはアイテムを強化したりする部分やゲーム内で他のプレイヤーとコミュニケーションをとったりする、いわゆるゲームプログラマーの仕事としては想像されない部分のUIのコードでした。脳トレクエスト2を含め、この手のソーシャルゲームはアイテムの操作などの概念が複雑になりがちで、初見のプレイヤーにわかりやすくベテランのプレイヤーをイライラさせない導線を考える必要があって、そういうきちんとしたUIをGUIを構築するには貧弱なゲームエンジンの上に作るのはなかなかチャレンジングな課題だったと思います。また、イベントやAppStoreの審査などのスケジュールと調整しながらアプリをリリースしていくというのもゲーム会社ならではの経験ができたと思っています。

実は脳トレクエスト2にはずっと関わっていたわけではなくて、今年の春から秋にかけての半年くらいは別のプロジェクトで新規タイトルの開発に携わっていました。そこではUnityでプロトタイプを作っては改良点を模索するみたいなことをしていましたが、まだあまり人数を増やして開発するという段階にはないという結論に達して脳トレクエスト2のプロジェクトに戻りました。そっちでアウトプットが出せなかったことは残念でしたが、3Dオブジェクトをグリグリ動かしたりいろいろ実験的なプロトタイプを作ったりUI用のライブラリを作ったりとなかなか他では得難い価値のある経験ができたと思っています。

あとは、出社時間が遅めでよかったりアニメ観ながら仕事できたりするのがいい感じでしたね。アニメや声優の話を堂々とできるのもいい環境でした。

辞める理由

上述の新規プロジェクトで、面白くかつ商業的にも成功するようなアイデアが出せずに悩んでいる時に、ゲームのエンジニアとしての適性や、将来の生きていき方に関して強い疑念を抱いたのがきっかけでした。

もともと幼少期にあまりゲームを買い与えられて来なかったし、そのせいなのかゲームをやりたいと強く思うことがあまりありませんでした。自分たちが作っているものが面白くないとわかった時に、それをどうやったら面白くできるのかという場面で、そこに付け足す何かを探すための引き出しを自分は何も持っていないとその時強く感じました。

幼少期にはゲームをしなかった代わりに、おもちゃやガラクタを分解したり修理したりするのが好きな子供だったので、分解して仕組みを観察したり、間に合わせの適当な部品を組み込んで修理したりしていた原体験が、エンジニアの道に進むきっかけになったと思います。子供の頃に持っていた電池の入る道具のうち分解しなかったのは、確か三角形のネジを回せるドライバーが必要だったゲームボーイくらいだったと思うし、ミニ四駆も速く走らせるのにあんまり興味がなくて、コースアウトしてひっくり返っても逆さのまま走り続けられる車体を作ったりしていました。ものが動く仕組みを知ったり、性能を上げるよりも不可能だったことを可能にするのが楽しかったのだと思います。

コンピューターに強く興味を持つようになったのもその延長で、プログラミング始めたのもコンピューターの仕組みを知るためで、大学生になってからはWebサービスを作って公開したりもしていました。

芸者東京はまだ今ほどARという言葉が浸透していなかった頃にARフィギュアを作ったりしていて、その数年後に僕が初めてオフィスに行った時以降もゲームの枠にとらわれない野心的な構想をいろいろとしていました。しかし、芸者東京は野心的な会社である以前にゲームの会社で、社員の多くも僕とは違ってゲームをやりこんできた人たちでした。そして社員数が50人に満たない小さな会社では、与えられた仕事をただこなすのではなく、一人一人がゲームをより良くするための創意工夫をすることが求められました。

ゲームの面白さというのはいろいろな要素のバランスによって成り立つもので、頭がいいからといって面白いゲームが作れるというわけでもありませんでした。一般的にどうやって企画を作っていくのか他の会社の事例について知識がないのですが、周囲の社員の話を聞くかぎりでは過去の他のゲームの要素をしばしば参照しているようした。

上述したとおり、僕にはゲームに関する引き出しがまるで無く、僕にできることはただ他の人によって企画された機能を迅速かつ丁寧に作り込み、プレイヤーを必要以上に迷わせたりイライラさせたりしないよう洗練させていくことと、そして開発工程を滞らせることのないようコードの品質を上げて行くことだけでした。これに関して特に脳トレクエスト2のチームではそれなりの成果をあげたと思う一方で、これを5年10年と続けた時に、自分はどんなエンジニアになっているのだろうという疑問が生まれてきました。

僕はコンピューターサイエンスの専門家でもコンピューターグラフィックの専門家でもなく、情報系の資格があるわけでもなく、学位は環境情報学と政策・メディアという、得体が知れなくて胡散臭くも聞こえる学問で、UIデザインに興味があっておまけ程度にちょろっとコードが書けるという程度の人間で、要するにエンジニアとして中途半端で、この先生きのこるためにはもうちょっと専門分野みたいなものを身につけたいという思いがありました。このまま中途半端に人からもらった仕事のコードを書き続けていてはいけない、もっと積極的に開発の主体にならなければいけないと考えるようになりました。

もちろんゲームのエンジニアをしつつ古今東西の様々なゲームをプレイして引き出しを増やしていく道もあったとは思いますが、しかしそれはこの小さな会社でやっていくべきことなのかというところには疑問がありました。少なくとも自分はこの会社が作りたいものをゼロから作るにはいろいろと足りないものがあって、そこで時間をかけるか無理をするかしてできるようになるより、もともと自分が興味のあった、Webやスマートフォン向けのソフトウェア開発でスペシャリストを目指したいと思うようになりました。

あとは年齢の問題で、学部卒カードを使わなかったし新しい挑戦をするなら今だなと思ったのもあります。

そして、そういう相談を知人にしたりしているうちに、面白そうな会社を紹介していただき、是非ともと誘っていただけたので、今回退職する運びとなりました。これから行く会社についてはまたの機会に書きます。これはあくまで退職エントリーなので。

おしらせ

僕が退職ギリギリまで作っていたし微妙に終わらなかった脳トレクエスト2の新機能ですが、年明け以降のどこかのタイミングのイベントから有効になる予定です(AppStoreの申請が絡むのでどうしても時間がかかります)。芸者東京で最後にした仕事なので、このブログを読んでいる人にぜひプレイしていただきたいのですが、あいにくイベントがどうしても中〜上級者向けになってしまうので、イベントが始まってからアプリをダウンロードすると満足にお楽しみいただけないかもしれません。

しかし、なんとこのたび脳トレクエスト2のはじめての書籍が発売されて、しかもけっこういいアイテムが付いてくるらしいです。

2分ではじめるシリーズ 脳トレクエスト2

値段は480円ですが、付録のアイテムは480円以上の価値がある(とあくまで僕個人は思っています)ので、お正月の暇な時にぜひお手にとってプレイしてみてください。今のところAmazonで取り扱われるかよくわからないですが、どうやらローソンには置かれるらしいです。1月1日発売とのことです。ついでに言えば付録のアイテムが役に立つのはちょっと進んだあたりなので、今すぐダウンロードして遊び始めるとこの本が出る頃にちょうどいい程度に進んでいるのではないでしょうか。

また、僕は退職しましたが、芸者東京エンターテインメント株式会社は現在ゲームが好きなエンジニア・デザイナー・学生エンジニアインターンの採用強化月間らしいです。採用のためにこれまでずっと放置されてきた公式Webサイトをついにリニューアルしたのでだいぶ本気みたいです。くわしくは採用ページをご覧ください。

参考までに楽しげな画像を貼っておきます。

フリースタイルUIデザインバトル

さいきん、ソフトウェアのユーザーがそのUIをdisるみたいなものをよく見る。具体的にはニコニコとドラクエのことなのだけど。

ドラクエにしろニコニコにしろ、作っているのはスクエニとかドワンゴの人だけで、ユーザーは意見を言うことも罵倒することもできるけどそれは必ずしも操作性とかUXの向上にはつながらない。意見を言っている人にとっての使いやすさが必ずしも万人に共通した使いやすさとは限らないわけで、いくら製作者側ががんばって改善したところで納得しない人は一定の割合以下にはならないと思う。

ソフトウェアの根源的な価値は、目的を達成することができるかとか、その上での実行速度や使用リソースとかで判断することができる。文字を入力して保存できるとか、メールを送信できるとか、そういうのは動かしてちゃんと動けばOKだし、テスト用のコードを走らせるのもそうだし、性能についても実行時間だとかメモリ消費量だとかいろんな数字を計測すればよくて、そういう良し悪しは機械的に判断することができる。数字で測れるものであれば、どこが問題でどう改善すればいいのかということも明確にしやすい。

UIに関しても評価手法というのはいろいろと存在するのだけど、開発者が最高のUIだと思うものが本当に最高であるかを統計的に確かめるという目的で使えるというものでしかなくて、その結果から必ずしも的確な改善案を導き出せるとは限らない。開発者は最高にクールなUIを空想しながらソフトウェアを作るしかなくて、結果として作る側の人は「これは最高にクールなUIだ」とか言うようになるし、それを使う側は「このUIはマジクソだ」とかすぐに言いだす。

そういうふうに考えると、UIデザインは開発者の作家性に依存する部分が強くて、ソフトウェア開発のなかでは圧倒的にエゴい分野だと思う。だからこそ開発者のエゴと開発者のエゴをぶつけあうバトルがエンターテイメント的に成立するような気がする。みたいなことを昨日の夜にTwitterに書いた。

ドラクエIをスマートフォンで快適にプレイできる最強のUIを作るコンテストとかがあったら楽しいと思う。